気ままな自転車乗りなのに、最近謎にレーシーな方々と走る機会が多いさっちです。
自転車歴だけは長いのですが、レース志向ではないこともあり「ローテーション(以下ローテ)しながら走る」という走り方をほとんどしてきませんでした。
ですので「ローテーションしながら脚で語り合う」なんてかっこいい事とは無縁だと思っていたのですが…
「みんながまとまって走る」集団走行(グループライド)の基本
脚力差のあるグループの場合
脚力差を埋める為に、最も経験・体力のある人が先頭を固定して走り、最も体力のない人に合わせてペースを作ってあげる。
脚力がある程度揃っているグループの場合
ローテーションを適切に行い目的地まで「速く、楽に、風の抵抗を分散しながら」みんなで走る。
※うしろに着く人は、先頭の人の約20~40%少ない力で同じ速度を維持出来ると言われています。
6/12に北海道で開催される【ニセコクラシック】という公道レースで、
年代別表彰台に上がることを目標としている友人たちが「ニセコクラシック対策練」を行っており、
そこに4月から週1回の計6回、参加させて頂きました。
東秩父の定峰峠2.5本練(2本目は途中までの折り返しなので2.5本)と、つくば不動峠練の2パターンの練習。
どちらも最初の約40kmの平坦基調区間はローテーション区間、その後の登りは出来るだけみんなでペースで登れるように。
基本的にノンストップでトイレ休憩のみ、補給はそれぞれジェルを持って、という感じです。
最初の頃のローテは、
初めましての方もいたし、みんなの脚力を確かめるのもあり、きちんと手信号を出して交代を促す感じで。
それが日を追うごとに、雰囲気で自然と先頭交代するようになってきて。
もちろん、脚力差があるので均等に前を引くわけではありません。
力のある人が長くひいて、一番実力のない私が前に出ると早めに後ろの人が前に出てくれる。
例えば、私が苦しくて少し車間を開けたら、前から下がって来た人が私の前にスッと入ってくれたり。
強風向かい風で女子群がキツそうになると男性だけで回し始めてくれて女子はツキイチになったり。
特に言葉を交わさずともお互いの息遣いや雰囲気を感じながら、集団が崩れずまとまって一番速く走れる手段で進んでいく。
これって
「脚で会話する」ってやつやーん!

平坦区間後は、いつも定峰峠1本目の序盤で千切れてひとりで登り、頂上に着くまでにみんなが降りてきてしまうので、残り1km弱を残して頂上まで行けずじまいでした。
もう少し、もう少しと思ったところでみんながシャーっと降りてきて「今日もダメだったかぁ」と唇を噛みながらみんなと一緒に折り返し、落合橋まで戻り今度は6km地点の白石車庫まで。
で、また落合橋まで戻って峠の茶屋までの11kmフルという、なんとも精神的に辛い練習なのですが、最後の登りの頂上で練習終わりなので、最後は私が登ってくるまでみんな待っててくれます。
ありがたい。
そしてレース前の最後のニセコクラシック対策練、定峰峠は、なんとしても1本目頂上まで辿り着き、きっちり2.5本やりきりたい!と思って、信頼する友人にその意気込みを話したところ
「それなら、なんとしても1本目頂上に間に合う為に、ローテには入らないことだ。」
えっ?
自分が一番実力が足りないのがわかってるならば、ローテに入らず脚をできる限り溜めて、定峰峠の1本目の登りを何がなんでもみんなと大差なく登りつく事に集中しろ、と言われたのでした。
なるほど…
その日の朝。
「今日は1本目の定峰峠、なんとしても頂上にたどり着きたいので、ローテに入らずツキイチでお願いします!」と宣言しました。
みんなはもちろん良いよと言ってくれて、私の本気度を感じてくれたようでした。
私はみんなでローテを回すのだから入らなきゃいけない、と思い込んでいたのですが、
でも、よくよく考えれば
レースを想定してノンストップでその距離と獲得を走ることがこの練習の目的な訳で、それには私が無駄にみんなの脚を止めないことが大事。
それならば、ローテに入らずツキイチで少しでも登りで遅れないように脚を溜めさせてもらう。
それが自分の実力がわかってる者の謙虚さなんだと。
もちろん方程式はなくすべてのパターンに当てはまる訳ではありませんが、今回の練習の目的を考えるとそれが私のとる最善の策だったんだと思いました。
結果、ツキイチで脚を溜めさせてもらったお陰で、1本目、定峰峠PRで登って初めて1本目の頂上が見られたのでした。
そしてなんとかなんとか2.5本をきっちりやり遂げて最後の定峰峠2.5本練は終了。
ニセコに出るわけでもなく、練習の足を引っ張り兼ねない私を練習に誘ってくれて、優しくも厳しく鍛えてくれるみんなに本当に感謝しかありません。
自転車はコミュニケーションスポーツ。
みんなの「気遣い」が集団を一体化させる。
強い人は、優しくそして厳しい。
自分の実力を理解し謙虚であれ。
走ってくれたみんなから、指摘してくれた友人から、今回の練習を通して色々と学ばせてもらいました。
来たる6月12日、
あのカッコいいUCIの表彰台に乗る練習仲間の姿を楽しみにしています!
みんな頑張れ~!!